結婚式の当日、お車代や心付けを渡すのは、親の役目のひとつです。
本来なら新郎新婦が渡すのが望ましいのですが、式のお支度でなにかと忙しいふたりには余裕はありません。そこで親が代わってお渡しします。
結婚式では、親はタイミングをみて行動しなければいけない場面がいくつかあります。
お車代や心付けを渡すこともそのひとつ。
この記事を読めばお車代や心付けについて一通りのことがわかります。
子どもの結婚式で親がすることを確認しながら、段取りよく準備ができますよ。
結婚式のお車代
結婚式のお車代と心付けは感謝を込めてお渡しするのは同じですが、お車代は招待客に、心付けは結婚式を手伝ってくださる方にお渡しするものです。
まずはお車代から見ていきましょう。
お車代とは
結婚式でいうお車代とは、単に交通費という意味だけではなく感謝の気持ちで渡すお礼全般を含みます。
遠方から来てくださる招待客はもちろんですが、結婚式でお世話になる主賓や乾杯の発声をお願いした方、受付、スピーチ・余興などをお願いした方にお渡しします。
お車代を渡す方の一例を順番に見ていきましょう。
- 遠方からの招待客
- 主賓や乾杯の発声をお願いした方
- 受付をしてくれる新郎新婦の友人
- スピーチ・余興などをお願いした方
遠方からの招待客へのお車代
遠方から結婚式に出席してくださる招待客はご祝儀に加えて交通費や宿泊費などお金がかかります。そのため少しでも出席しやすいようにとお車代を渡すのがマナーです。
招待客が受付に記帳に来られた時に、受付の係の人からお車代を渡してもらいます。
お車代の相場は、交通費の半額~全額です。
主賓や乾杯の発声をお願いした方へのお車代
受付で記帳を済まされたあと、主賓や乾杯をお願いした側の親が「本日はよろしくお願いいたします」と直接お車代を渡します。お礼の相場は、1万円~3万円です。
なお、その方が遠方から来られている場合は、この金額に交通費の半額~全額がプラスされます。
親は主賓や乾杯をお願いした方の顔はたぶんわからないと思うので、その方が到着されたらすぐに受付から連絡をもらえるようにしておきます。
事前にその方の特徴も聞いておいて、渡し間違いのないように気をつけましょう。
受付をしてくれる新郎新婦の友人へのお車代
受付の始まる前に「本日はよろしくお願いいたします」と受付をお願いした側の親から直接お車代を渡します。お礼の相場は、3千円~5千円です。
なお、その方が遠方から来られている場合は、この金額に交通費の半額~全額がプラスされます。
スピーチ・余興などをお願いした方へのお車代
受付に記帳に来られた時に、受付の係の人からお車代を渡してもらいます。お礼の相場は、3千円~5千円です。
なお、その方が遠方から来られている場合は、この金額に交通費の半額~全額がプラスされます。
スピーチ・余興などをお願いした友人へのお礼は、結婚式が終わったあと新郎新婦から渡してもいいのですが、遠方からくる友人が多かったため、渡しそびれる場合も考えてお車代として渡しました。
お車代を準備する前にしておくこと
お車代を準備する前にしておくことが2つあります。
それは、
- 遠方の方にお車代の用意があることを伝える
- 招待客の交通費や宿泊代は取り決めがないか確認する
お車代の用意があることを伝える
招待状を出す前に遠方の方にはお車代の用意があることを伝えておきます。
事前に電話やメールで、もしくは招待状にお車代の用意がある旨のメッセージを書いたカードを入れておくのもいいでしょう。
遠方から出席してくださる方は出費もかさむのでお車代の有無は気になることです。
お車代の用意があることをお知らせしておくと出席していただきやすくなります。
また予算の関係でお車代を出せない場合も事前に知らせておきましょう。どうしても出席してほしい場合はご祝儀を辞退する旨を相手に伝えておきます。
招待客の交通費や宿泊代は取り決めがないか確認
お車代の相場は交通費の半額~全額となっていますが、親族や友人との間であらかじめ、取り決めがある場合はそちらに従います。
うちの場合、親族については以前からの取り決めで、お車代はなしでホテルを手配し、宿泊代はこちらが負担することになっています。
息子の職場関係者の場合は、ホテルはこちらで手配し宿泊費と、交通費の半額を負担することになりました。
なかなか決まらなかったのは、息子の学生時代の友人のお車代です。大学卒業後ほぼ全国に散らばっており、中には海外勤務の人までいました。
招待するとき、遠方の人は大変だろうからそんなに出席してくれる人はいないだろうなと思っていました。けれど、息子の結婚が友人たちの中で一番早かったので、ありがたいことに招待した人全員が来てくださることになったのです。
今後のことを考えると、交通費や宿泊代については、友人同士の最初の取り決めが肝心なので、息子に友人同士で話し合ってもらいました。その結果、宿泊代は各自の負担となり、交通費の半額をこちらが負担することになりました。
結婚式の会場がホテルの場合、結婚式の招待客の宿泊料金を割り引いてくれるサービスもあるので利用するのもいいですね。
お車代の準備の手順
ではお車代の準備の手順を見ていきましょう。
- ①お車代を渡す人のリストを作る
- ②交通費の算出
- ③新札の用意
- ④祝儀袋・ポチ袋の用意
- ⑤祝儀袋・ポチ袋にお金を入れて渡す人の名前を付箋で貼る
お車代を渡す人のリストを作る
まずお車代を渡す人のリスト作りから始めましょう。
リストを作成しておくと渡しモレを防げるし、全体でどのくらいの金額になるのかもわかります。
交通費を算出する
- 実際にかかる交通費をネットで調べる。
- 実際にかかる交通費をリストに入力する。
- 実際にかかる交通費の半額~全額のキリのいい金額に切り上げたものをお車代とする。
うちの場合、海外からの出席の方は、申し訳なかったのですがご実家からの交通費で計算させていただきました。
新札を用意する
お車代のお金は新札(新券)を用意します。
銀行で両替する方法は2つあります。
- 窓口で新札に両替
- 円貨両替機で新札に両替
気をつけることは、窓口、両替機ともに両替は銀行の営業時間内のAM9:00~PM3:00しかできないということです。
また両替するには手数料もかかります。両替手数料は、各銀行、両替方法(窓口・両替機)や取扱枚数によっても異なります。
以下、メガバンクの両替手数料をザックリとまとめてみました。
窓口 | 両替機 | |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 【1~10枚】当行に口座あり 無料(1日1回限り) 【1~10枚】当行に口座なし 550円 【11~500枚】 770円 | 【1~10枚】当行のキャッシュカードあり 無料(1日1回限り) 【11枚以上】 取り扱いできない |
みずほ銀行 | 【1~10枚】当行に口座あり 無料(1日1回限り) 【1~10枚】当行に口座なし 550円 【11~500枚 】 550円 | 【1~10枚】当行のキャッシュカードあり 無料(1日1回限り) 【11枚以上】 利用できない |
三井住友銀行 | 【1~10枚】当行に口座あり 220円 【1~10枚】当行に口座なし 330円 【11~500枚】 770円 | 【1~10枚】当行のキャッシュカードあり 無料(1日1回限り) 【11枚以上】 取り扱いできない |
※2024年1月現在の情報です。最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。
自分の口座のある銀行ならば1日1回1枚~10枚までは無料で両替できるがそれ以上は手数料が必要です。
手数料無料で両替をするなら何日かに分けて両替するか、口座のある銀行をハシゴするかになります。
事前に自分が利用している銀行の両替手数料を確認しておくとスムーズに準備ができます。
祝儀袋・ポチ袋を用意する
下記の画像は実際にお車代に使った祝儀袋とポチ袋に表書きと名入れの説明を加えたものです。
ご覧のとおり表書きと名入れに注意して用意しましょう。
お車代は、金額により袋の種類が違います。
1万円~3万円程度は「結びきり祝儀袋」で水引とのしが印刷されている略式の祝儀袋を使用、1万円未満は「ポチ袋」使います。
また、5万円以上の場合は「結びきり祝儀袋」で水引とのしが付いた正式の祝儀袋を使います。
お車代のご祝儀袋の書き方は下記にまとめました。
ポイントは、表書きと名入れです。
表書きは「贈答品の目的」を表し、名入れは「送り主の名前」を意味します。
表書き | 「 御車代 」、「 御車料 」、「 寿 」 のいずれか。 |
---|---|
名入れ | 招待した側(新郎もしくは新婦側) の姓。 |
祝儀袋・ポチ袋にお金を入れて渡す人の名前を付箋で貼る
お札は表面(人物の描かれている面)を正面にして入れます。ポチ袋に入れる場合は三つ折りか、四つ折りにします。
祝儀袋・ポチ袋には渡す人の名前を書くところがないので間違えやすいです。
お車代はそれぞれ渡す人によって金額も違うので、渡す人の名前を付箋に書いて貼っておきました。
受付で招待客にお車代を渡してもらう時に確認しやすいです。
結婚式の心付け
次に結婚式の心付けについて見ていきましょう。
心付けとは
結婚式当日、感謝の気持ちを表すお礼として結婚式をサポートしてくださる人たちに渡すものが「心付け」です。
心付けには幸せのおすそ分けという意味合いもあります。
心付けをお渡しするのは結婚式でお世話になる方々です。
たとえば、
- ウエディングプランナー
- 会場責任者、スタッフ
- 介添人
- ヘアメイク
- 着付け
- カメラマン
- 司会者
心付けをどなたにお渡しするのかは、両家で話し合って決めます。
心付けの渡し方と相場
結婚式では、たくさん方にお世話になります。
その方たちに「本日はよろしくお願いいたします」というあいさつとともに、結婚式のしたくが始まる前に心付けを渡します。
「心付け」の相場は3千円~1万円です。
心付け不要の会場もある
会場によっては心付けを受け取らない決まりなっているところや、サービス料として見積もりに謝礼が含まれているところもあるので、その場合は心付けは不要です。
「本日はよろしくお願いいたします。」とごあいさつだけしておきましょう。
うちの場合も「心付け不要」の会場だったので会場関係者に心付けを渡すことはありませんでした。ただ、結婚式当日に急に発生する「お礼」もあるかもしれないと、千円札と「ポチ袋」だけは用意しておきました。
心付けの準備の手順
心付けもお車代と同じような手順で準備します。
- ①心付けを渡す人のリストを作る
- ②新札の用意
- ③祝儀袋・ポチ袋の用意
- ④祝儀袋・ポチ袋にお金を入れる
まず、心付けを渡す人のリストを作成します。
心付けは新郎側がお世話になる人には新郎側が、新婦がお世話になる人には新婦側が用意します。
ウェディングプランナーなど新郎新婦でお世話になる人にはふたりで用意します。
新札に両替し、祝儀袋やポチ袋を用意します。1万円~3万円程度は「結びきり祝儀袋」、1万円未満は「ポチ袋」を使いますが、心付けの場合は金額的にポチ袋を使うことが多いと思います。
心付けのご祝儀袋の書き方は下記にまとめました。
表書きは「贈答品の目的」を表し、名入れは「送り主の名前」を意味します。
表書き | 「 御祝儀 」、「 寿 」 のいずれか。 |
---|---|
名入れ | お世話になった側(新郎もしくは新婦側) の姓、または両家連名の姓。 |
スタッフが思っていたより多い場合もあるので余分に用意しておくといいですね。
お手伝いしてくれた子どもへのお礼
そのほか、結婚式でお手伝いしてくれた子どもへのお礼もあります。
フラワーガール&ボーイやリングガール&ボーイなど結婚式で花びらをまいたり、指輪を運んだり、ベールの裾を持つお手伝いなどを子どもにお願いすることがあります。
その場合、子どもが喜びそうなお菓子やおもちゃ、絵本などを結婚式の後プレゼントします。
お礼の相場は千円~3千円くらいで、品物にします。
まとめ
遠方からの招待客が多いときは準備に時間がかかります。
結婚式の1週間前には用意できるよう進めていくといいですね。
受付の方には招待客からのご祝儀を受け取っていただき、お車代も渡していただくなど、責任の重い仕事をしていただきとてもお世話になりました。